またお久しぶりの更新になりました。
今日は、ウマ娘の記事を書いて以来の久々の競馬関連の話になります。
私が大好きな競走馬、ドウデュースのラストランになる予定だった有馬記念の出走取消および引退に寄せて、どうしても書きたかった。
私は2021年の5月にウマ娘に触れるまで、競馬というものは武豊騎手とディープインパクトしか知りませんでした。
当時私は子供でしたが、社会現象レベルでニュースで名前が流れまくっていましたのでディープインパクトだけはめちゃくちゃ覚えています。しかしその程度でほぼ競馬の知識はゼロ。
そういう私がウマ娘に触れて、ハマり実際の競馬もちょくちょく見出しました。
そんな折、2021年12月に朝日杯FSで勝利して以来ドウデュースのことは、それからささやかに応援していました。
武豊騎手といえば私が唯一以前から知っていた騎手で、ディープインパクトの主戦騎手。かつ、ウマ娘で大好きになり実馬も大好きになったサイレンススズカの主戦騎手でもあり、一番好きな騎手の方でした。
ただ、ドウデュースの朝日杯FSまではG1勝利から少し遠ざかっていたようで、豊さんが長年勝てなかった朝日杯を勝たせたというのもありドウデュースのことはそれからずっと注目していました。
これからもっと豊さんの相棒になるような馬に成長してほしいな、と。
そしてドウデュースは見事、その願いを叶えてくれました。
皐月賞では1番人気でしたが悔しい3着、そして日本ダービー。これは強烈に覚えています。
当時ドウデュースは距離不安が囁かれていたのもあり3番人気に甘んじていました。イクイノックスはデビュー時から強い強いと言われていましたが、距離もここが最適だろうという評価の一方大外、ローテがかなり空いてたので大丈夫か?みたいな感じで2番人気。ダノンベルーガは距離最適、枠も良しみたいな感じで結果的に1番人気だったような気がします。ジオグリフは皐月賞があまり強いと思われなかったのか、距離長いと思われたのかそんなに目立ってなかったですね。
東スポの田原さんの展開予想とかも見ていました。ドウデュースはアイビーSとはいえ、府中勝利経験もあり馬場や輸送はそこまで問題ない。逃げ馬がいるのでペースはある程度流れそう、当日の府中の馬場も外が有力で外差しが効きやすかったと思います。こうしたある程度の根拠と、勝ってほしいという気持ちから距離だけは未知数のため確かに不安でしたが、私はドウデュースを信じていました。
そして、この日人生初めて競馬で馬券を買ったのでした。
結果は見事に的中。単勝にすれば良かったんですが、馬券を買うのが初めてだった私にはハードルが高く、日和って複勝にしました笑
ちなみに馬券の買い方に慣れなさすぎて、保険でダノンベルーガも複勝に入れていたのですが見事にガミりました。まあただドウデュースを一番信じていたのは確かです。
私は当時テレビで見ていましたが、ドウデュースが最後方から直線で上がってきたとき、本当に本当に大興奮しました。こんなに興奮することがあるのかというぐらい。
アスクビクターモアがヨレた影響で加速が止まりかけたとき、本気で「オマエ邪魔すんなよ!」と言っていました(ごめんなさい)。アスクビクターモアのことは今や悲しいですね…
それでもめげずにドウデュースは再加速しました。さらに外からイクイノックスが猛追してきて、本当に怖かったですが、「頑張れ頑張れ!」と声に出してテレビに向かって応援し、見事押さえ込み1着でゴールしたとき、本当に嬉しかったです。
競馬の面白さとはなんなのか。あのダービーのドウデュースが教えてくれました。
豊さんに6度目のダービー優勝をあげたドウデュース。ずっと良い馬に恵まれずにいたオーナーの松島さんとの関係も素敵で、そんな松島さんと豊さんの元に現れたドウデュース。間違いなく一番好きな馬になりました。
直後の宝塚記念でも投票しました。
3歳馬だし出ないというのは分かっていたけど、それでも好きだから投票したのです。確か10位とか結構良い順位だった気がします。
それにしてもこのメンツを見ると本当に懐かしいですね。ディープボンドやバビットがまだ現役なのが恐ろしい…本当彼らも頑張ってますね。
ドウデュース以外だとデアリングタクトも大好きな馬でした。日高の小さい家族経営の牧場から、このノーザン全盛の時代に生まれた三冠牝馬。好きにならないわけがありません。彼女は宝塚で複勝にして当てました。宝塚は良い走りで、G1をまた取って復活して欲しかったのですが、結局宝塚が一番良かったですね…。
バビットとボーンジーニアスは私の大好きなナカヤマフェスタの貴重な産駒です。アフゴくんも大好きでした。ステイゴールド系が好きなので。
話が逸れましたが、しかしここからのドウデュースは苦難の道が多くなります。
次は凱旋門賞挑戦でした。正直、行く前から行かなくていいとか否定的な意見はあったような気がします。
まあ凱旋門賞行ってその後何故か成績が出なくなってしまった馬がいるので(マカヒキ、サトノダイヤモンド等)崩れてほしくないというのは分かる。でも馬主の松島さんが、凱旋門賞を武豊で取りたいと言っているのだから、そりゃ行くでしょう。理屈じゃないんです。
前哨戦のニエル賞でも良い結果は出せなかったんですが、本番の凱旋門賞はさらに悪かった。よりにもよって、ただでさえ重いタフなロンシャンの馬場が2022年は極悪馬場だったのです。
タイトルホルダーなどもいて、この年はすごく期待がかかかっていたと思います。宝塚記念も豪華メンバーで盛り上がっていて、ムードも今年はひょっとして…という感じが、嘲笑うかのような極悪馬場。
まあ馬場は仮に例年通りだったとして、良い結果だったかは分かりません。でもやはり酷だったでしょう。
特に3歳馬のドウデュースには、めちゃくちゃ酷だったと思います。最近、しがらきの厩舎長の方のインタビューでドウデュースが唯一目に見えて疲れていた様子だったのは、凱旋門賞のときだったと言っていました。それぐらいドウデュースには苦しかった思い出なのかなと…。
凱旋門賞はショックでしたが、何よりドウデュースが先達のようにこれをきっかけにダメになってしまわないか、それが一番不安でした。
レースも間隔空けて、そういう思いを抱えていましたが、明けた2023年の京都記念。
ドウデュースはめちゃくちゃ良いレースで完勝してくれました。私は、ドウデュースが一番得意な展開で一番強い勝ち方をしたのはこの京都記念だと思います。
メンタルや足がダメになってしまっていないか、本当に不安でしたがそれを吹き飛ばす完勝。
ドウデュースはただで終わる馬ではないんだと。やはりすごい馬だと実感しました。
(一方でエフフォーリアはかなり辛い感じで終わってしまうのですけど…復活を願っていたし、うまくいかなくても頑張っているのも分かっていたからああいう形での引退、これもショックだった)
しかしその後、ドバイで出走取消に…。どうしてこううまく行かないのだろうと思います。でもラストランで取消よりは全然いいんですけどね(爆)
そしてこの後、恥ずかしながら有馬まで私はいまいち競馬を見てませんでした。
ドウデュースは走ってないし、クラシックには新たな推し馬はいなくて、イクイノックスが無双してるしあんまり見る気が起きなかったんですよねー…レース結果だけ後から見るみたいな感じ。
別にイクイノックスやルメールが嫌いとかじゃ全然ないんですが、ノーザンのクラブ馬で鞍上がルメールというのはなんというか見飽きていて…w。あまり人馬一体で応援したいという感じがなかったんです。ごめんなさい。
ただイクイノックスとの再戦は見たかったですし、そういう意味でようやく観れるとワクワクしていた秋天。まさかの豊さんが新馬戦の馬に蹴られて当日乗り替わり。
このときは「えー!」と今回並みにすさまじいショックだったのを覚えています…。当日乗り替わりって…しかも新馬に蹴られて…ひどすぎる…こんなことあるんだと思いました。
新馬戦からずっと乗ってきて、こんなことがなければ全戦騎乗だっただろうにこれ。悔しすぎました。この件は今でも毎回出走のたびに不安になってしまうほどで、ちゃんと当日のレース時刻まで人馬ともに出られることがいかに奇跡的なことなのか実感しています。
ドウデュースには本当に可哀想なことばかりで…なんでこんなに運がないんだろうと思います。豊さん乗ってもらえなくて可哀想だったね。
JCも復帰できず。悔しかったですね。
そんなこんなでフラストレーションが溜まってばかりで、私の競馬熱もマジで最下層までいってた中での有馬記念。
今でも恥じているのがリアタイしなかったこと。なんかもうドウデュースには本当に良くないこと続きで、イクイノックスばかり勝つし、つまんないなーと思っていたんですよ笑。ドウデュースはどんなに結果が出なくても頑張っていたのに、私は本当にダメでした。
宝塚あたりからずっとそんな感じだったんですけど、この有馬はちゃんと見ておけという話でした。
結果知って、本当びっくりして嬉しかったですね。
ドウデュースと豊さんの劇的復活。本当に本当に嬉しかったです。ドウデュースの凄さには改めて驚かされたし、やっぱりこの馬は豊さんしか乗りこなせないんだろうなとつくづく思いました。
あとそれ以上に正直有馬という府中と全然適性違うタフなコースを勝てることに驚いた記憶があります。府中だけじゃなく、グランプリ勝ってこそ本物みたいな風潮って割とあるでしょう笑。全文同意はしないけど、色んなコースで勝てる馬はマジですごいなと思いますよ。
有馬の舞台で完璧な捲り勝ちをしてくれました。ドウデュースがこんな競馬をできたことにも驚いたし笑、乗り方も完璧でしたね。
たくさんの不運に見舞われながらもめげずに、一生懸命走り切った人馬で取った勲章という感じがしました。
2024年に入りドバイ、宝塚記念。
どっちも不完全燃焼というか、不運というか…。
ちょうどこの時期私はハイキューの映画にドハマりして、通い詰めていたのもあり競馬をまたしてもいまいち見ていませんでした。
今聞けばドバイは馬っ気も凄かったようで、どこまでも一筋縄ではいかないなあこの馬は…と思いました笑。
宝塚記念のファン投票で一位だったときは嬉しかったです。しかし、本番は雨が降る中のまたしても極悪馬場。
いくら宝塚といえどここまで酷い馬場になることって滅多にないですよね。なんでこうついてないのか…。
豊さんも秋天を勝った後に、宝塚はドウデュースを信用しきれず外よりは内で…としたと言っていましたけど、結果的にはどうだったんでしょう。
私はドウデュースって重馬場がこなせないわけではないと思うのですが、宝塚レベルのはさすがにどうなんだろうと思います。というかあそこまでいくと名馬でも重馬場巧者じゃないと無理なんじゃないかな。ドウデュースを信用しきれなかったエスコートにもあったかもしれませんが、色々積み重なっての敗戦という印象です。
私は今回の取消、この極悪馬場の宝塚で走らされたのも蓄積で少しは影響してそうだなあ…と思います。やっぱりダメージあったんじゃないかな。
そんな悔しい春を越えて、7月頃に年内は国内専念で引退が発表されましたね。
これは本当に良かったと思います。今を見れば明らかです。
凱旋門賞はそもそも重馬場巧者レベルでないとこなせないと思うし、根本的に向いていないし、あそこでまた不完全燃焼になるドウデュースは見たくなかった。
ウマ娘3期のキタサンのレース選択と一緒という理由でピークアウトとか言う馬鹿がいたりしました(一人だけでしたが、アホすぎたためか拡散されてしまった)。ウマ娘もやっている者として謝ります。すみません。
そして迎えた天皇賞・秋。
当時の私は呪術の二次創作にハマりまくっていて笑、ドウデュースの春の不調もありやっぱりあまり競馬を熱心に見なくなっていたのですが、そんな馬鹿な私の目を覚ますかのような素晴らしい直線一気で圧勝。
熱心に見なくなってたとはいえ、このときはたまたまリアタイでテレビで見ていました。
朝にスパークに行って帰ってきてお風呂に入ってなんとなーく時間を過ごしていたら、ちょうど秋天の発走時刻じゃん!と気づき、慌ててみんなのKEIBAをつけました。
当然ドウデュースを応援はしていましたが、勝ってくれないかな〜、難しいかもしれないけどぐらいの感じでした(ごめん)
直線に入ってしばらくも、なかなか上がってこず、「いやそんなところにいて大丈夫なの!?」と本気でテレビに向かって言っていました←
ところが、そこからすさまじい勢いで上がってきてテレビで見ても分かるほどの他馬との圧倒的なスピードの違う豪脚で差し切り勝ち。
「なにいまの末脚…ヤバすぎる…」と見事に豊さんの手腕とドウデュースの本当の凄さに驚いたのでした。上がり32.5という意味のわからないタイムを見て、すごいというより「脚が大丈夫?」ということを思ったんですよね。でもそのときのドウデュースは元気で安心しました。
そして、またしてもドウデュースの虜になったのでした。テレビに向かって応援したのはダービー以来でした。あのときたまたまリアタイでテレビつけて本当に良かった。
ずっと抑えて、最後で爆発させるというスタイル。宝塚の騎乗を反省して馬の力を信じ切って、これでダメなら諦めようという気持ちで騎乗したそうですが、それをぴったり嵌めてくる凄さ。あそこまで後方に居続けるという肝の座り方がさすがというしかない。そしてそれに応えるドウデュース。
私はここでようやく、豊さんもドウデュースの本当の乗り方・戦法が分かったのではないかと思いました。
「逆襲の末脚!」はドウデュースを象徴するフレーズですけど、本当にここぞというときに勝って目を覚まさせてくれる馬でした。
ダービーのときもアスクビクターモアにヨられなければ、このぐらいで突き抜けていたんだろうと思います。これが本当のドウデュースのスピードであると。
秋天でドウデュースに完全に魅せられ、もうすぐ引退というのもあり、ジャパンカップは現地に行こうと決めました。
ちょっと前まで競馬から離れていたのに、そこから即行くことを決めるとか我ながら行動力と単純さに驚くんですけど、今思うと本当にこのとき行っといて良かったです。あのときの自分に感謝。
このとき忙しかったのもあり、有馬でも良くないかと思ったりもしたんですが、有馬に本当に出て走ってくれるか、いくらドウデュースといえど三戦目はキツいし、その保証はない。サラブレッドはとても繊細。なら観れるうちに観ておくべきだと思い決めました。本当に英断でした。
しかし、私が競馬場に行ったことがあるのは一年前、大井競馬場に帝王賞のときに、会社のオフ企画で同僚と行ったきりでした。確かテーオーケインズが3着でした。
そのときは大変で、とても楽しかったのですが、夕食を買おうとして一時間半以上待ち、レースは結構前列で見ていたものの前壁で男性が前にたくさんいるし全然よく見えず。しかも後ろからギューギュー押されたのがもう痛くて痛くて、二度と行きたくねえと思うほどでした笑。パドックだけはちゃんと見れたのですが。
平日の夜の地方競馬でこれとか、ジャパンカップを考えただけで恐ろしくて。競馬場に行くのも悩みました。
でもやっぱり観に行きたいし…などど悩みましたが、結局座席予約の会員登録もし行くことにしました。指定席の一般抽選は当然ながらハズレ。残席販売は仕事で忘れてたのと、どーせ取れないだろと思ってたのでスルーしちゃったんですが、有馬のときは取れたので今思えばチャレンジするべきでしたね…。本当悔しい。とはいえ、入場券は楽々取れて、知り合いと行きました。
スタンドはもう地獄になるのが目に見えていて、帝王賞以上に押されるわ見えないわだと思ったのと、競馬初心者の知り合いなのもあって、内馬場で観戦しようと決めました。
パドックで見てからでは内馬場には戻れないし、良いポジションも確保できないかも…と思い、パドックは泣く泣く諦めたんですけど、今思うと見てもよかったのかなあと思ったり。私も初心者なので分かりませんでした。
14時過ぎに馬券を買いましたが、このときもすさまじい混雑ではぐれかけたり。
当然ドウデュース単勝一点勝負。逃げ馬がおらず、秋天以上にスローになることが予想されたので厳しいかもな〜と思う気持ちと、それでもあの秋天で見せた末脚ならどんな状況だろうと勝ってくれる!という気持ちで半分半分。でもドウデュースの馬券を買うのだけは決めてました。
応援馬券の買い方も分からなくて、普通の単勝になっちゃったのが後悔です。有馬でこそ応援馬券買うつもりでした…。換金はせず、今も大切に取ってあります。本当、このとき買ってよかったです。生涯で唯一紙で持っているドウデュースの馬券です。
で内馬場でゴール近くの良さげなところをなんとか見つけて、11R辺りから待機して頑張りました。
本馬場入場してくるのが肉眼で見えた時、震えました。ああ、本物のドウデュースだ!と。まずちゃんと走ってくれることに安堵しました。有馬のことは予想してなかったけど、そもそも走れるまで漕ぎ着けられるのも凄いことだと分かっているので。当日のその日の時刻まで、ドウデュースもその他の馬もちゃんと走ってくれるかドキドキしていました。特に外国馬。
アオリPVが流れるんですが、カツラギエースの次から、スペシャルウィーク→ディープインパクト→キタサンブラックって豊さんのお手馬ばかりで笑ってしまいましたね。いや、JRAが完全にドウデュース推してるじゃん!って。
ファンファーレを生で初めて聴いて、めちゃくちゃ震えました。テレビだとそこまででもないけど、こんなにも生だと高揚するものなのか…!と思いました。ファンファーレの重要性がよくよくわかりました。
そして芝のG1レースを初めて生で見たのですが…すごいものでしたね。本当に。
今回は明確に応援したい馬がいたのもあって、レース中ずっと意味のよくわからないぐらいドキドキしっぱなしでした。
道中もちゃんと外に持ち出せるか、ブロックされないか、ずーっと心配していましたし、内枠の3番から外に出すにはジョッキーの腕が試されるなあと思っていました。結果的には道中ずっと外を進んでくれたので「よしよし」と思いながら見てました。
しかし、目でわかるほど遅いペース、1000m通過が62秒と言われたときは「おっそ!」と言ってました(周りの人もw)。ここは心配でドウデュースにキツいからもう少しペースを上げてくれよ…と本当にずっと心配してました。
3角を過ぎたあたりから徐々に上がってきてくれて、まず「良かった!手応えがある!」ということに安心して、4角で前に来たときは大興奮していました。
でも同時に、こんなに早く前に出て最後まで持つのか?大丈夫かな?そっちの心配もしてました。
直線に入って肉眼で見えるようになったとき、はっきりドウデュースが先頭付近にいるのが分かり、またしても大興奮。まず不利で不完全燃焼はなさそうだということ。一方で最後まで持つのかやはり不安。
ゴール板に近づいてきて、とにかくドウデュースを応援しているだけでした。「頑張れ!頑張れ!」と声に出してました。ゴール直前、内で2頭、粘られているのも分かったので、どうか頼むから最後までこのまま持ってくれ!抜かされないでくれ!と祈るような気持ちでした。
ゴール板の瞬間は見えないので、不安で不安でしょうがなかったです。確かにターフビジョンにはドウデュースと豊さんが中心的に映されており、「映ってるから勝ったんじゃない?」と知人に言われましたがやはり不安。「ドゥレッツァか〜!」と後ろの人が言っていて、「え、抜かされた?」とマジでショックで不安でした。(結局これは馬券内のことを言っていたのでしょうが)
そして「確定」の掲示板に3の数字が一着のところに表示されて、もう大興奮。ドウデュースは3だよね?と知人に何度も確認して、「ドウデュースすごーい!おめでとう!」と声に出して言ってました。
その後、ウイニングランを心待ちにして、戻ってきたドウデュースと豊さん。ユタカコール、内馬場で小声でやりました笑。(だからこそ有馬ではスマートシートで大声でやりたかった…)
もう、あのときの興奮は何にも代えられないものでした。これほどスポーツで興奮したことは無かったんじゃないかな。
ドウデュースに「本当に良く頑張ったね」と心から思いました。誰もがあなたの勝利を期待して、スペシャルウィークと重ね合わせて日本総大将などと中心的存在でとてつもない期待をかけられて、見事に1番人気に応えてG1を連勝してみせた。
1番人気で勝つのもG1を連勝するのもこれが初めてだったんですよね。ドウデュースがまた変わった瞬間だったなと思います。
導いた豊さんも、いきたがるドウデュースを喧嘩せずにいかせて、さすがに期待に応えてくれました。まあこんなプレッシャーなんてこれまで山ほど経験しているでしょうけど(それこそディープに乗っていたときの三冠や最後のJC有馬の方がよほど)、本当にレジェンドです。
表彰式はイチローさんが来ていて、始まる前からもうこれは武豊じゃないと許されないような空気。それに人馬が見事に応えたあの瞬間、本当に感嘆しかなかったです。(いつまでも武豊の後継スターを出せないのはそれはそれで悲しいものですが…)
とてつもない満足感と興奮、そして本当に来て良かったという思いで帰りました。
そしてこのジャパンカップ現地観戦で、この後ここまでの1ヶ月、もうドウデュースのことしか考えられないほど頭から離れず、競馬もまたちゃんと見るようになりました。
ただ、32.7というまたしてもありえない末脚を出していて、大丈夫かな?という想いは尽きませんでした。無事で安心したけれど、「もうこのJCで終わって有馬は出なくてもいいのでは」という想いも正直なところありました。
負けるのが怖いわけではなかったですが、去年有馬勝っていてタイトルもあるし、種牡馬価値にも大して影響しないし、こんなに連勝してきて1着で終わってほしかったのはあるし、何より三戦目で無事に終わって種牡馬入りできるのかそれが物凄く心配だったからです。
秋古馬三冠は見たいけど、もうあの頃と時代は変わり、レースに出すより外厩でバッチバチに仕上げて適性を絞って出てくるのが一般的。そういう馬がローテに余裕を持って体力がある状態で出てくるのだから、20年前よりよほど難易度的にはキツいのです。最近の強い馬で三冠を目指したのはキタサンブラックぐらいしかいない。
32秒台の脚を連発していて、とても負担のかかる走り方です。体質はタフでも、脚があまりのスピードの速さに耐えられるのか、正直なところ不安でした。
それでもこれだけのスターホースを有馬へ行くとしてくれた陣営の皆さんには感服と感謝しかなかったので、応援していました。
毎日ドウデュースの情報をひたすら検索して、毎日ドウデュースのことを考えていました。これまでテレビ観戦したときはそんなことなかったし、秋天の後もそういうわけではなかったのに、ジャパンカップを現地で観て完全に脳を焼かれてしまいました。
現地で観るパワーってすごいんだなあとつくづく思いました。
追い切り具合も良好さも確認して、状態が無事が確認して…と一日の時間の半分くらいはドウデュースのことを考えていた気がします。誇張なしに。
そして出馬確定して、いよいよ…!と思っていた矢先のことでした。
出走取消。
思考が停止したような感覚でした。
ショックで何も手につかない気持ちと、何故か、どこかほっとした気持ち両方あったんですよね。
ショックなのは引退式まで中止なこと。夏に北海道でやるかもということでしたが、これだけの馬だからいっぱいの観客に送り出されてほしかったのです。
でも、ファンのため遅くなっても場所が違ってもやろうとしてくださっているのは、本当に松島オーナーも陣営の方もファン想いだとつくづく思いました。ソダシもデアリングタクトもやってくれなくてとても残念だったので、松島オーナーには感謝しかありません。
あとは、個人的な事情として有馬記念は残席販売で奇跡的にスマートシートを取れたので、ようやくパドックから観てドウデュースを目に焼き付けられると思っていたのでした…。内馬場ではやはり遠かったし、今度こそと思っていたので…本当にそれは残念ではあります。
でもドウデュースが結果が出ない間も頑張っていたのに競馬から離れてしまっていた私が、一度はドウデュースがG1を勝つところを現地で観れたのだから、充分幸運と思うべきなのかもしれませんね…。
ほっとしたのは心配したけど、本馬自体は元気で、無事に種牡馬入りできること。それにほっとしたんだと思います。
先ほどもつらつらと書きましたが、最近のトップホースが殆どやらないこの三冠ローテだからこそ、三戦目どうなるのか、無事に帰ってきてくれるか、それが本当に心配だったんです。
そしてやっぱりか…という気持ちと、ドウデュースにもう限界がきたんだなあと思いました。
2歳からトップクラスで活躍し続けて、凱旋門賞ではよりにもよって極悪馬場で3歳のまだ身体が出来上がってないときに走らされて、去年も秋三冠ローテを走り抜き有馬記念では捲って復活勝利し、宝塚記念ではまたしてもよりにもよって雨の極悪馬場を走らされ、今年も秋二戦上がり32秒台の脚を連発して連勝。
こうして書くと、本当にタフなローテや馬場をたくさん走らされたものだと思います。運も無いことが多かった。天皇賞当日の乗り替わりは言うまでもなく。
それでも、結果が出ないときもめげずにタフに走り続けたドウデュースには本当によく頑張ってくれたとしか言いようがありません。
今脚が悲鳴を上げたのは、なんとなく分かるのです。
ドウデュースは今完成期を迎えて、豊さんも今ドウデュースが一番強い戦法を理解してバッチリとハマっていました。しかし、やはり32秒台の末脚を連発してすべてをひっくり返す競馬は、とてつもない負担がかかるのだと思うんですよね。
今の戦法がドウデュースにとって一番強いのは間違いないのだけど、負担も大きいのだろうと思います。かつてのオペラオーロブロイは時代も違いますし周りの馬含めてローテも違うので単純比較はできませんが、そつのない先行差し競馬でした。比較すればあまり脚には負担がかかりにくい走法だと思います。このあたりの違いも大きいのではないかなと素人ながら邪推します。
ドウデュースが体質がタフなことは言うまでもなくそうだと思いますが、脚に限ってはやはりみな共通。サラブレッドの脚って物凄く脆いです。
身体が無事でも、後方からすべてをぶち抜くとてつもないスピードを出すことに脚が耐えられるか。有馬に向けて、この点だけがずっと気掛かりでした。
かつてのサイレンススズカも、秋天当日の調子は良すぎるぐらいだったと言われます。原因はないとも。けれど、速すぎたスピードに脚が耐えきれなかったのでは、と思うんですよね。
有馬までのドウデュースにはそれをずっと不安に思っていて、とにかく調子が良いということが聞こえてくるのですが、どうにもサイレンススズカのことを思い返し逆に不安になり、脚がスピードに耐え切れるのか気掛かりでした。
それにドウデュースっていつもいつも調教から真面目に頑張って走る馬でしたから、そこで脚の耐力をすり減らしていないか、心配でした。
なのでこの出走取消、右足ハ行を聞いて、ちょっとほっとしている自分も少しいたのです。
とにかく、レース前に見つかって本当に良かった。出ていたら、何があったかわかりません。わずかな違和感を見逃さず、取りやめた陣営の皆さんの英断には感謝しています。
ドウデュースの子供が見られないなんて、絶対に嫌でしたし競馬界にとっても大きな損失です。サイレンススズカの産駒は本当に見たかった…
ドウデュースが無事種牡馬入りできる。もう本当に良かったです。
ドウデュース取消…。
— 山本武志 (@Hochi_Yamatake) 2024年12月20日
ファンへの謝罪を何度も繰り返した友道師ですが、
「最後の最後に(山あり谷あり)ドウデュースらしいのかな」
「こんなの(アクシデント)は初めて。自分から『そろそろいいんじゃないか』という感じなのかな」
と。この二つの言葉は本当に印象に残りました pic.twitter.com/ys622bLfZH
この方のツイートでの友道先生の言葉がものすごくスッと入ってきて、心にすとんと落ちたんですよね。
こういうアクシデントは初めてで、「そろそろいいんじゃないか」という言葉。走る前にドウデュースが危険を訴えてくれたんだろうと思います。
いっぱいいっぱい頑張って、本当に疲れ切ったよね。最後に最悪の事態にならなくて本当に良かったと思います。
さて、長々と書きましたが私が思うドウデュースという競走馬。
この馬のストロングポイントは、一瞬でトップスピードに入れるすさまじい加速力と、それを持続させるロングスパート、コーナーでも加速し続けるコーナリングの上手さ、ゴール前の勝負根性だと思います。
JCのジョッキーカメラで時速69kmに達していて驚かれていましたが、加速力がすさまじいですよね。歴代でも類を見ないほどの加速力だと思います。
そして有馬でもJCでも見せた700m超えのロングスパートの持続力。特にJCでは圧倒的前残りのスローペースで、直線序盤で捉えてかかりながら最後まで押し切ってしまうのですから、すごいとしか言いようがない。
またコーナリングの上手さ。だいたいの馬はコーナーでどうしても速度を落とすのですが、ドウデュースはむしろコーナーで加速していきます。そして他馬を置いてけぼりにする(有馬のジャスティンパレスなどが顕著かな)。だから、基本的に小回りの中山の方が得意だろうと思います。でも府中でもめっちゃ強いんだけど。
そしてゴール前で接戦になっても絶対に抜かさせない勝負根性。これもすごい馬だったと思います。接戦で負けることって3歳の初めぐらいで、あとは接戦になるとだいたい勝ってます。朝日杯FS、ダービー、有馬記念、ジャパンカップと。
JCのジョッキーカメラで、終わった後にブローザホーンやジャスティンパレスが追い抜いていきましたが、その後すぐ加速して追いついているのを見たとき、この馬はめっちゃ負けず嫌いで勝負根性があるんだなあと思いました。
もちろん、32秒台の脚という絶対的スピードとキレは言うまでもありませんね。
種牡馬価値から見ると、1600m〜2500mのG1を阪神、府中、中山で勝つという適正の広さや、2歳〜5歳で毎年G1を取るという活躍期間の長さは素晴らしいものだったと思います。最近の王道路線の王者で、朝日杯を勝っている馬はなかなかいません。
特にドウデュースは5月生まれであるのに、2歳G1を勝つという圧倒的ポテンシャルの高さがありました。なかなか考えられません。
朝日杯を勝った馬はダービーを勝てない、ダービーを勝った馬は有馬記念を勝てない。色々言われましたが、そういうジンクスをことごとく破壊していきましたね笑
ハーツクライ産駒らしく、5歳に全盛期を迎えるという晩成型でしたが、2歳G1やクラシックを勝ちました。ちょっと考えられない能力の高さでしたね。
また馬体がマイラーと散々言われましたが、友道先生にもデビュー前はそう思われていたようなんですよね。またはダート馬だとも。
それを豊さんがダービー走らせましょうと言って、友道厩舎のスタミナを持たせる力もあり中距離路線になったようですが、本質はマイラーだったのかもしれません。
実際朝日杯でセリフォスやダノンスコーピオンといった後のマイルG1馬相手に勝っていて、この馬はマイル走っても強かっただろうと間違いなく思います。
いずれにせよドウデュースは松島オーナーに買われて、武豊騎手で、友道厩舎だからこそという奇跡的な確率で今があるんだなと強く思います。これが社台系のクラブ馬で、中内田さんや堀さんのところにいってたら間違いなく短距離路線にいってダービーは取れなかったでしょうね。
反面ドウデュースのウィークポイントはというと、やはり操縦性の悪さだろうなと思います。
走りたい気持ちが強すぎてかかりやすい、反応が良すぎる、抑えるのが大変で、タイミングを見極めて最後に爆発させる必要がある。馬群に入るとみんなと走れてたーのしー状態になってしまうので、最後方から競馬する必要がある。
まあ非常に乗り難しい馬です。加速力やスピードは異次元なのですが、この操縦性の悪さであまり成績が安定しなかったのだろうと思います。
サンデーサイレンス産駒っぽい特徴ですよね。ディープインパクトとも非常によく似ている。サンデー産駒にたくさん乗ってきた豊さんだからこそ、御せたしここまで活躍できたんだろうと思います。
社台系クラブ馬なら多分乗ってないし、無難に先行差し競馬させてそこそこの成績で終わっていたかもしれません。
こうした操縦性の悪さを覆せるほど、加速力やコーナリング、スピードは天下一品でした。これらを最も活かせるのが今の追い込み戦法だと、秋天でようやく確立したと思うのです。
個人的なドウデュースとのこれまでと、ドウデュースという競走馬について気づいたらたくさん書いていました…。
改めて最後にドウデュースに伝えたいことは、本当にありがとう。それしか言いようがありません。
この記事中でも何度も書いたけど、タフな馬場やローテをこなし、不運にも何度も見舞われ、結果が出ない時期もあったけどそれでもドウデュースはずっと頑張っていました。
2歳から5歳まで毎年G1を勝つという偉業も成し遂げました。こんなにずっと活躍し続けるなんて本当にすごいことです。
武豊騎手に長年勝てなかった朝日杯をもたらし、なかなか活躍馬に恵まれなかった松島オーナーにダービー・グランプリ・天皇賞という最高峰の名誉を総なめして一度にもたらし、私たちに秋古馬三冠の夢を久々に見せてくれました。まさに「ともに、見る夢」を見せてくれました。
本当にすごい競走馬です。挫折と栄光、それらを織り交ぜひたむきに頑張り続けた姿は鞍上と相まり主人公のようだと言われました。
武豊騎手の2020年代の相棒として、競馬界を牽引して盛り上げ続けたスターホースでした。
今回の有馬記念の約48万票という圧倒的歴代一位のファン投票数にはとても嬉しくなりました。
私個人としても、2歳から引退までリアルタイムで応援していた初めてかつ唯一の競走馬だったので、とても思い入れ深いです。朝日杯のときからずっとドウデュースには夢を見せてもらいました。あのときは、まさかここまで長年にわたって活躍してくれるスターホースになり、武豊騎手の相棒になるとは思っていませんでした。本当に感謝しています。
ドウデュースの子供を見れる日は遠いですが、楽しみでなりません。種牡馬生活が良いものになることを心から祈っています。どんな牝馬と配合するのかな?とか色々そちらのワクワクはもちろんあります。
でもやっぱり悔いは残るので、北海道行って会いたいなあ…どういう形でやってくれるのは分からないけど、できるだけ希望する多くの方が入れるような形でやっていただけると本当にありがたいです。
ドウデュースがいなくなってしまって、また競馬熱が落ちそうですが、また推し馬を見つけられればいいなあ…
明日の有馬記念は悩みましたが…せっかくスマートシートが取れたので行こうと思います。ドウデュースのパネルも見たいですし。
ハヤヤッコは一度見たいと思っていたので、生で白毛馬を見るのが楽しみです。あとはディープボンドくんはずっとひそかに応援しています。
最後にドウデュースへ。
本当にありがとう!これからも多幸を祈っています。