つれづれ

限界オタクのブログです

シン・エヴァンゲリオン劇場版―エヴァに真摯に向き合った集大成に相応しい作品

重い腰を上げてひっさびさにブログ書くよ!!!

 

いかがお過ごしですか。1ヶ月ぶりぐらいの更新になってしまいました。

その間何をやっていたかと言うと、進撃のアニメを見ていたのです。

3期は私生活があまりに忙しく1話しか見れなかったので、12月放送の4期までに見ようと思ってたんだけど、ちょうどテニプリにハマってそっちに集中してて間に合いませんでした。

が、一応旧テニ読破して、新テニのアマプラ配信スタートは2/26だって言うし、その間進撃見よう!と思って。見てました。

で、やっと最新話まで追いついたんですが、いや〜やっぱ面白いですね。

 

 

 

まあ、進撃の話はさておき、シンエヴァ

ようやく公開されたので観に行きましたよ。

 

当方のエヴァの知識は、去年の夏にdアニメストアで見た新劇のみです。新劇はすべて見ました。

本当はTVシリーズや旧劇も見たかったのだけど、無いんだもん!dアニにもアマプラにも。

調べたらネトフリにしか無いんだってさ。そういう独占本当やめてくれーー。視聴者は誰も得しないぞ?本当独占嫌い。

dアニは入会と退会を繰り返していて、今入ってるのはアマプラのみです。それ以外の動画サービスには入るつもりありませーん。

 

私はエヴァの熱狂的ファンというわけではないので、新劇のみの事前知識で行きました。

 

が、それでも今作は十分楽しめました!!!!!!

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、とても良い映画だったと思います。

 

非常に勝手な私の偏見で、エヴァのことだし丸投げしてよく分かんない感じで終わるみたいになるのでは?と思っていました。絶対収拾つかないと思ってました。とんでもありませんでした。庵野監督に心よりお詫びします。

 

最初に箇条書きにしますと、

 

・Qで酷評された点の丁寧なフォロー

・残った問題を綺麗に解決

・主要キャラにそれぞれちゃんと見せ場と役割がある

・キャラの未来を一人一人丁寧に救済

 

総評して、「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」に相応しいとても丁寧な作品でした。

 

 

庵野監督が、いかにエヴァに対して真摯に向き合ったか。作品からその誠実さがすごく伝わってきました。

 

 

◯Qで酷評された点の丁寧なフォロー

(はっきり言うと私はQも普通に楽しめましたし、あそこまで酷評されるような作品だとは思いません。だって破の最後にサードインパクトが起こりかけた時点で、とてもじゃないですが良い未来は想像できませんでした。だから別にQにおける惨状もまあそうだろうと思ったし。まあ、周りの大人はもう少し寄り添ってあげてもいいとは思いましたけどね。)

世間的には酷評されていたQについてはもう殆ど全編に渡って、これでもかというくらいフォローされていました。

顕著なのは、前半の大部分を使ったニアサードインパクト後の小さな村での描写ですよね。

この場面のメインはシンジと黒レイ(と呼ばせてもらう)で、黒レイが村の人々と接しながら人間的な営みを過ごし、「人として」成長していく様がとても丁寧に描かれていました。

その時間もとても長いので、こんなにのほほんとしてて良いんか?と途中思ってしまった節もあったんですが、そういえば「破」も前半はこんな感じだったなと。だからこそ後半に生きてくる。

 

 

そしてシンジに関しては本当にQのフォローの場でした(笑)

トウジと委員長が結婚してたことにも驚きましたが、この二人も、ケンスケもとても優しいし。

Qではカヲルくん以外誰一人として理解を示してくれる人はいなかったと思うのですが、それとは真逆だった。

トウジとケンスケは、最初は馬鹿にしてたけど使徒とシンジが戦っている場面を間近で見て、助けられたことがあるから、「一般人目線」でシンジがいかに大変な状況に置かれているか分かっているから、理解を示してくれるのかもしれない、とも思ったり。

それでもウジウジしてたシンジですが、黒レイのおかげで思う存分泣き、立ち直ることができました。

 

また最も批判されていたミサトさん

それまでも本編中で「ミサトは責任を感じている」というようなことが言われていましたが、最後のヤマト作戦における親子対決で、シンジがエヴァに乗る、と言った場面は顕著でした。

結果的にニアサーを起こしたせいで、家族を失ったヴィレ職員から「エヴァに乗るな」と責められるシンジを徹底的に庇ったのです。「元々14年前にシンジがエヴァに乗らなければ、皆死んでいた」「シンジくんは未だ私の管理下にあり、彼の行動の全ての責任は私にある」と。果ては銃弾からも身を賭して護りました。

Qの態度から何があったんだと思うレベルの変貌ぶりですがw、それはともかくとして、ミサトさんはとてもカッコよかったです。

 

 

 

◯残った問題を綺麗に解決

正直言うと、私はおそらく、シンエヴァのストーリーを70%も理解できてないと思います(笑)

まあ、それは今までもそうだったのですが。

そんな私が綺麗に解決したと言っていいかは分かりませんが、私は解決したと思いました。

 

残った問題というのは、まさしく人類補完計画と親子の和解です。

これ以外にもあるかもしれませんが、大きなものはこれだと考えます。

 

人類補完計画ってあんだけ長年やって、シンエヴァが公開されるまで未だになんだかよく分からんみたいなの、多かったですよね?

それが今回でだいぶ明らかになったのではないかと思います。

結局のところ、ユイにもう一度会いたかったんですよね。ただただゲンドウが考えていたのはそれに終始していたと思います。

ユイに会うためだけに。ただそれだけのために。とんだユイキチです。

海の浄化のセカンドインパクト。大地の浄化のサードインパクト。最後に魂の浄化のフォースインパクト。これを経て、人類をなんの区別もない生き物にする。

まあ恐ろしい計画です。

なんだか、NARUTOのオビトとリンの関係を思い出してしまいました。見れば見るほどダブるんだもの。リンと二人だけの世界を作るために月の眼計画をするという。まあオビトはゲンドウとは違い社交的な子どもでしたけども。

 

 

そして親子の和解。

対話に至るまでの、過去の記憶が次々と移り変わり、今まで過ごした場所で戦うというのも、本当に集大成なんだなというのを感じて胸熱でした。

最初に初号機が出撃した市街地とか、ミサトの家とか、(当方が好きである)使徒ラミエルと戦った海辺とか。

それを経ての対話。ゲンドウは本心を今まで全然語ろうとしなかったからこそ、その弱さが印象的でした。

シンジと同じような、人見知りで外界と遮断するためにイヤホンばかりをし、孤独が好きな少年。それがユイと出会って、変わった。ユイを失ってから、ユイばかりを求めるようになった。人間的な弱さをすごく感じました。

そして計画が頓挫した後、シンジを抱きしめて謝罪をした歴史的瞬間。「すまなかった…シンジ」だったような(うろ覚えですまぬ)

いやあ、素直に感動した。うん。

ああ、これがエヴァの物語の終わりだなと。この二人の和解こそが、大きなテーマだと思っていたから。

 

 

◯主要キャラにそれぞれちゃんと見せ場と役割がある

これね、私個人的には本当に重要なことだと思います。「エヴァンゲリオン完結」と銘打った映画で、誰々が空気だとか、そういうんじゃ煮え切らないじゃないですか?

一人一人が物語に貢献して、大きな役割を果たしているというのは、ファンサービス抜きに大切なことだと思います。その意味でシンエヴァは申し分ありませんでした。

一人一人振り返ってみます。

 

シンジ…まさしく主人公だった。周りの人に助けられながらも、ドン底から立ち直り、ゲンドウとの親子対決におけるシンジは圧巻。あのシンジがこんなにメンタルが強いとは…と思ったが、なんだかんだで決めるところは決める男でしたね。

やり方を間違えた父を成敗し、初号機の中に眠るユイと再会し、全ての人をエヴァンゲリオンから解放。そしてその後、エンディングにかけてレイやアスカ、カヲルを一人一人救っていくという偉業。エヴァから解放されたシンジは新しい世界へ漕ぎだしていきました。長く長くエヴァが紡いできた物語の最後はこれしかないと言えるような最後でした。

 

 

レイ…黒レイが村の人々との触れ合いを通して人間的生活の素晴らしさを学んでいき、殻に閉じこもるシンジの心を開き、立ち直らせました。たとえシンジに惹かれるように設計されているからだとしても、それが気持ちいいと言い、主人公を救い出す。ヒロインという他ない。

同時に、抗えないエヴァの呪縛。それに縛られていたレイでしたが、最後にシンジに救い出され、自由に生きるように言われ、彼女もまたエヴァから解放され新たな人生を歩み出しました。

 

 

アスカ…今作のアスカはヒロインというよりはカッコいい女性ヒーローという感じでした。前半、周りの人間がほとんどシンジに優しく接する中、アスカだけはキツい言葉で接していた。でもそれはアスカらしいと思うし、アスカの言っていることも最もだと思う。

そして後半の第13使徒との戦いではアスカがひたすらカッコよかった。あんなに漢気のある女性は、なかなかいない。ATフィールドで抵抗をする第13使徒に対して、自壊覚悟で使徒の力を覚醒させ、使徒となり戦いました。結果としては取り込まれてしまったのだが、本当にカッコいいなと思いました。

アスカは孤独だと感じていてエヴァに乗ることが存在意義だと思っていたのですが、ケンスケとの出会いにも救われ、エヴァから解放され、新たな人生を歩みだしました。

正直感じたことは、「あくまでも新劇シリーズでは」アスカはヒロインではないかな?と思いました。決して悪い意味ではなく、新劇のアスカはヒーロー的なんだよね。どの作品においてもね。なので「好きだった」という彼女のシンジに対する言葉は、少し切なかったです。もう終わってしまったことなんだな、と。だけども、何度も言うけどネガティブではなく、アスカはアスカで本当に素晴らしいキャラクターでしたよ。今作でも最も活躍の多いキャラの一人だと思うし、チラシが彼女なのも納得。

 

 

ミサト…先ほども書いたようにQのフォローで、シンジに対して罪悪感を持ちながら、責任を果たした大人でした。身をかばってシンジを守ったところや、艦長としてヴィレを引っ張っていたところ、とてもカッコよかったです。

またやはりミサトさんの名場面といえば、周りの協力ももちろんありましたが、ガイウスの槍を作り出し、隊員を全員避難させた上で、誰かが必ずやらなければならない自決を避けられない突入役をやり遂げ、犠牲となったところですね。

艦長として本当に立派だったと思います。最後に親として全然面倒を見てあげられなかったことを心配していたのも、切なかったなあ。でも素敵な最期でした。

彼女は…味方の主要キャラの中ではほぼ唯一?救われてないのかな…。いやでも救われてないというのは違う気がする。艦長としてその職務を立派にやり遂げて、人類を救ったのだから。敬意を示すことが一番かなと。

 

 

マリ…多分今作で一番評価が変わったキャラクター、と思われる。私も正直、今までの作品では「なんかマリっている必要あんのかなー?」とか好きでも嫌いでもないキャラクターだった。(好きな方、ごめんなさいw)

でも今作でマリの人当たりの良さとか明るさとか、そういうのにすごい救われたし(他が重いだけに)、シンジを最後に救い出してくれたのは彼女だった。

マリが戦ってるシーンっていつも楽しそうで見てて爽快になれるし、さっきも言ったけど他の登場人物がギクシャクしてるだけに、潤滑油のような役割を果たしてくれていたように感じた。

そして、最後にシンジは多くの人を救ってエヴァンゲリオンから解放したけど、じゃあそのシンジを救ってくれる人はいるの?ってなったときに、彼女だったんだと思う。いや、彼女しかいなかった。これが私が一番言いたいことです。他のキャラクターはシンジに救われる人々だったんじゃないかと。だからこそ、最後にシンジを救えるのはマリだったのではないかな。

あのエンディングについては、いろいろ賛否両論もあるのかもしれない。だけど、私は上記のような意味が込められてるからこそ、マリになったんだと思います。最後に地下鉄のような場所(シンジの心象風景によく出てくる電車)から、新キャラであるマリが救うということが、「シンジが真にエヴァから解放された」ということを示しているんだと考えています。

だからこそ、それをカップリングとかいう矮小な次元に落としたくないんですよね。あれを見てカップル成立祭りじゃーん!とかいう、そういう程度の低い一面的な見方はしたくないなあ。

 

 

カヲル…正直カヲルくんの役割はQで終わったと思ってたんで、シンジに一人一人丁寧に救われたキャラクターに入っていてびっくりしました。カヲルくんのことをそういう風に救済してくれたことが嬉しいですね。

渚司令?というのは驚きと共にイマイチよく分かりませんでしたが…まあエヴァで分からないことはよくあること…どういうことなのかな…

カヲルくんがこれからの人生をエヴァから解放されて楽しそうに生きていけそうで本当に良かったです。

これもマリの話と通じるんですが、あのエンディングも別にカップリングとかに落としたくないなあ。(NARUTOBLEACHみたいにはっきり結婚しましたとかあるなら別ですが)ベンチのとこに確かアスカもいたように見えたけど気のせいかな…

とにかく楽しそうに生きていけそうで良かった。

 

 

最後にゲンドウ。

この作品はゲンドウが裏の主人公だと言っても過言ではない。

シンエヴァでゲンドウに対する見方が大きく変わった。 

ゲンドウとシンジ、ユイとの関係とか人類補完計画については先程もかなり書きましたので、ゲンドウというキャラクターに対する自分の考えを書こうかなと思います。

一言で言って、「哀れ」だなあと。

シンジと似ていて、でもシンジになれないまま拗らせてしまったおじさん。という感じ。

少年期は本当にシンジと似ている。ゲンドウ自身が言っていたけど、外界から心を閉ざすためにイヤホンをしていたのもそう。無気力で、逃げがち、閉じこもりがち。そんなときに一人の女性に出会い、人生が変わって楽しくなった。でもその女性を失って、狂ってしまいユイキチになってしまった。

それを自分でも多分分かっていたと思うんだけど、変えられず、この歳まで…

シンジが最終的には強い意志で立ち上がり、決別できる強さを持っているのとはもう真逆だと思う。

本当に哀れ。だけど、嫌いになれない。何故かと思ったんですが、ゲンドウが本当に人間くさいキャラクターだなと思うからです。身体だけじゃなく心もドロドロしてて、醜いんだけども、だからこそ興味深いし面白いキャラクターだなあと。

後さ、序・破の主題歌の「Beautiful World」が私前々から大好きだったんですけども、シンエヴァを見てさらに大好きになりましたね。シンエヴァのエンドロールでは「One Last Kiss」の後にダ・カーポバージョンが流れたんですけど、それも良かったなあ。

だってもう、Beautiful Worldの歌詞ってまんまゲンドウからユイへの想いなんですよ!14年越しの伏線回収とか鳥肌立ちますよ。宇多田さんてどこまで知ってたんだろう。

最も印象的なフレーズの「もしも願い一つだけ叶うなら君のそばで眠らせて どんな場所でもいいよ」とかもうゲンドウ→ユイそのものですよ。ゲンドウは本当にそれだけだった。

またAメロの「寝ても覚めても少年マンガ 夢見てばっか 自分が好きじゃないの」「何が欲しいか分からなくてただ欲しがって」とかも少年期のゲンドウそのもの。この辺はシンジにも通じるところがあるね。

Bメロの「言いたいことなんかない ただもう一度会いたい」「言いたいこと言えない 根性なしかもしれない」も、ゲンドウ→ユイそのものすぎて。

最高ですね。はい。

「One Last Kiss」ももちろんゲンドウ→ユイなのよ。シンエヴァそのものだと思う。でもこの「Beautiful World」の当てはまり方が鳥肌が立ちます。

 

余談だけども、正直ユイも相当おかしい人だと前々から思ってます(笑)だって初号機に入るってねえ。

 

 

 

◯キャラの未来を一人一人丁寧に救済

これはもうキャラのところで書いたので改めては書きませんが、本当に丁寧だった。この作品はQのフォローも、残った問題の解決も丁寧でしたが、救済も丁寧。本当に全てが丁寧な作品だったと思います。

エヴァンゲリオンのような作品が、あそこまで一人一人の未来を、丁寧に明るく描くなんて驚いた。

だからこそ、集大成なんだなとも感じるわけですが。

 

 

 

さて、なかなかの長文になってきたし、もうこの辺で終わろうと思いますが、良い作品でした。鑑賞して損はないでしょう。

何より、エヴァンゲリオンを終わらせるという意志、エヴァンゲリオンに真正面から向き合うという誠実さを感じました。だから好感が持てるのです。

これ以上の終わりはないと私は思います。

2時間30分以上という長時間の映画ですから、全く退屈にならなかったかと言えば、嘘になりますが(笑)

しかしこれだけ長い時間でありながら、一度も眠くならずストーリーと迫力のあるバトルアクションを楽しませてもらいました。

2時間くらいの映画で、友人と行ったにも関わらずあまりのつまらなさに途中で眠ってしまった映画もありますので…w

 

とにかく、庵野監督及びスタッフ・キャストの皆様にあっぱれ!まさに終劇!

プロフェッショナル見ます。

 

 

最後に入場特典。

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アスカ貰えました。可愛い。記念になりました。

 

 

それでは〜。